3番目の高度合成数。-年下のキミと-
なんとか帰る気になった大志くんと一緒に、お家に向かう。
「進学のことで、また揉めちゃった?」
尋ねると、コクリ、と大志くんが頷いた。
「それでついカッとなって……」
お父さんを殴っちゃったということか……。
「いつも同じことで揉めて、情けないですね、僕」
大志くんが落胆したように大きな溜め息をついた。
「それだけ、大志くんにとって大事なことだからでしょう?」
大志くんが目を伏せる。
そのまま黙っていたら、大志くんちの前に着いた。
「じゃぁ、頑張って謝るんだよ? 私、ここで待ってるから」
「でも……謝っても何も話は進まないと思います」
まだ少しだけ納得しきれていない様子を覗かせながら、大志くんが言う。
でも、さっきの状態からすれば、随分と気持ちに余裕ができてそうだ。