3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 大志くんが玄関に入ったのを確認してから息を吐く。


 軽口を叩きながらも、実は自分のことのようにハラハラしている。




 怒ったおじさんに、家を追い出されたりしないだろうか。


 大志くん殴られたりしないだろうか……。


 男親と男の子の喧嘩って、もしかしたら凄く激しいものかも知れない。



 ドキドキ、ハラハラしながら二階を見つめた。


 多分、電気が消えているあの部屋かな……。




 五分くらい見つめていると、その部屋に明かりが灯った。

 カタンと窓が開くと同時に、電話がかかってくる。


「はい」


『実句さん、大丈夫ですか? 寒くないですか?』


 相手はもちろん、その窓から身を乗り出している大志くんだ。
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