3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「目立つかい? 大志にやられちゃったよ」

 私が知っていることを分かっているように、おじさんが苦笑した。




 ――大志くん、本当に殴ったんだ。




 もちろん、嘘だと思ってたわけじゃないけれど、想像だったものが現実に感じられた。




「傷、大丈夫ですか?」


 失礼かとも思いつつ、聞いてみる。


「なかなか痛いものだよ」


 そう言いながらおじさんが斜め前に座った。




 おじさんも、大志くんも、痛かっただろうな……。




「大志くんのこと、怒ってますか?」



 少しハラハラしながら質問した。関係ない、と言われてしまえばそれで終わりだから……。
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