3番目の高度合成数。-年下のキミと-


「うーん、複雑だねぇ、親としては……」



 おじさんは渋い顔で腕を組んだけど、私に答えるのを拒絶した風には見えなかった。



 安堵しつつ、おじさんの口元にどうしても目がいってしまう。


 親としてはどんな気持ちなんだろう。




 怒り? 悲しみ? 憤り? 屈辱?




 なんて、私が考えつくような簡単な想いじゃないんだろうな……。



 私にはきっとどうやって親の気持ちはわからない。

 分かるのは、どちらかと言うと子の気持ち。





 ――ううん。





 どうしてここに来たのかという、自分の気持ちだけだ。
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