3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「いや、大丈夫です! でも、そうですよね、実句さんが気にしちゃいますよね。

ちょっと聞いてみます!」


 急いで黒いエプロンのポケットを手で叩いた大志くんは、ハッとしたようにマスターの方に向くと、「トイレ行ってきます!」と言ってバタバタとカウンターの奥に走って行った。



「トイレそっちにないし。電話しに行くって今ここで言ってたよな?」


 しかもトイレって言うなって教えたのに、と苦笑しながら、マスターは大志くんの去った方に向かって突っ込みを入れている。


「実句ちゃんも急で迷惑だったんじゃない? あいつの可愛さに騙されちゃダメだよ?」

 マスターはそう言いながら、私の注文したアイスティーを出してくれた。
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