3番目の高度合成数。-年下のキミと-

「そういえば、実句さん、さっき勉強詰まってませんでした? なんか途中から進まなくなってたみたいですけど」

 大志くんの言葉にハッとする。『cube』で勉強してた箇所を思い出した。

「そうそう、聞きたかったの。ここ」

 言いながら問題集の分からない部分をパラパラと捲った。


 どれどれ、と覗き込む大志くんの髪が頬に触れる。


 ドキリ、としつつ、それが嬉しい自分がいる……。


「あぁ、ここですか。ここは……」


 静かに説明してくれる大志くんに思わず見惚れてしまった。


 前よりカッコよく見えてしまうのは、ひいき目だろうか?


 長い睫を見つめていたら、その目がこちらを向いた。


「……聞いてます? 実句さん」

「あ、うん」


 半分聞いてなかったけど……。

< 293 / 333 >

この作品をシェア

pagetop