3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「でも、相変わらず凄いねぇ、すぐわかっちゃうもんね。本当にIT好きなんだね」

 誤魔化すように言葉を繋ぐと、大志くんがフッと微笑んだ。


「ITも、好きなんです」


 "も"って……。


 学校の勉強"も"、かも知れないのに……、意味深に笑う大志くんに、顔が赤くなるのを止められなかった。


「ふふっ」


 大志くんが笑って、私の髪を耳にかける。


 最近の大志くんはこうして、普通に触れてくるようになっていた。

 それ以上はないんだけど。


 触れられて嬉しいと思うと共に、私の中に芽生える疑問。



 私は朋くんと、本当に別れているんだろうか?



 ここ最近、それがずっと気になっていた。



 リナに言ったら、今更何言ってんのって、笑い飛ばされたけど。
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