3番目の高度合成数。-年下のキミと-


「ねぇ、大志くん」


 マンションの前に着いたとき、私は思い切って口にした。


「はい?」

 自転車を止めた大志くんが、満面の笑顔で首を傾げる。


「私、福岡行ってこようかな……」


「えっ!?」

 ニコニコしていた大志くんの表情が凍った。


「どうして、ですか?」

「朋くんと、ちゃんと話をしてこようと思って……」

「ちゃんと?」


 ジッと見られて、言ったことを後悔してしまう。


「まだ、ちゃんと終わってない気がするから」


 大志くんがギュッと唇を噛む。



「僕は嫌です……」


「でも、大志くんにも悪いし」


 思わず目を逸らすと、大志くんに両手を握られた。

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