3番目の高度合成数。-年下のキミと-
仕事帰り、いつものように『cube』に行くと、大志くんがどんよりとしたオーラを発していた。
「いらっしゃいませ……」
「いらっしゃい、実句ちゃん」
私の姿を見ると、微笑んではくれたものの、オーラは消えない。
他愛のない会話をしていても、それは変わらなかった。
「大志くん、何かあった?」
「……」
大志くんが黙ってしまう。
「遠慮せず言って?」
私が顔を覗き込むと、大志くんがおずおずと口を開いた。
「実句さん、福岡は……?」
やっぱりそれか……。
福岡に行くと言ったあの日以来、会ってなかったから、特に報告はしてなかったんだけど……。