3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「連絡が取れないから、行こうにも行けないんだよね……」
「そうですか」
はぁ、と大志くんが溜め息を吐く。
「……ねぇ、今度の土曜日、水族館でも行かない? 勉強の息抜きに」
暗い表情の大志くんに笑って欲しくて、私はいつの間にかそんな提案をしていた。
途端に、大志くんがパァッと顔を輝かせ、一気に暗いオーラが晴れる。
「はいっ」
期待していた通りの返事が聞けて、私も自然と笑みを浮かべていた。
やっぱり、大志くんが元気だと、私も元気になれる。
「土曜日午前中は学校だよね? 午後二時に、そこの駅で待ち合わせでいいかな?」
私は『cube』近くにある駅の方を指差した。
「はい、もちろんっ」
さっきの空気とは打って変わって、大志くんの周りから音譜が見えそうだ。