3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「マスターって大志くんのこと良く知ってるんですか?」

 バイトを始めてまだ一週間くらいなのに、何だかよく知ってる口ぶりだ。


「俺んち、大志んの家と近いから、前から知ってるの。バイトしてもらってるのも、その縁さ」

「へ~~、どうりで」

「バイトが必要なほど、お店繁盛してないじゃんって思ってたんだろ~」


 マスターに図星されて、アイスティーを吹きそうになった。


「だから、あいつが可愛いだけじゃないのも知ってるの」


 マスターがそう言って意味有りげに笑う。子どもの頃の大志くんはどうだっけなぁ……なんて思っていると。



「実句さん、大丈夫でした! 是非って!」

 笑顔の大志くんが奥から戻ってきた。
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