3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「大志く~ん!」

「はーい、ただいま!」

 お客さんに呼ばれた大志くんが、違うテーブルに向う。


「お、大志が明るくなってる」

 軽食を作っていたマスターが、大志くんを見て微笑んだ。


「やっぱり実句ちゃん絡みだったのかー。ここ数日元気なかったんだよ」

「す、すいません」

「いいのいいの、明るくしてくれるのも実句ちゃんなんだからさ」

 小さくなる私にマスターがパチンとウインクする。


 明るくしてもらっているのは、私の方だ。


 自分から言い出した水族館だけど、ワクワクしてるもの。


 この温かいロイヤルミルクティーの甘さが、いつも以上に幸せの味に感じてしまうくらいに。


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