3番目の高度合成数。-年下のキミと-
お店に入ると、朋くんの後ろ姿が見える。
「久しぶり……」
向かいの席に座ると、相変わらずビシッと綺麗なスーツに身を包んだ、切れ長の目が私を捉える。
ドキドキしていた朋くんの姿。
――だけど、以前のように見惚れはしなかった。
緊張はするけど、なんだか不思議と冷静な自分がいる。
朋くんがすでに注文していたらしく、私が席に着くと同時に、温かい紅茶が運ばれてきた。
やはり、私に選ぶ権利はないらしい。
ココアが良かった、なんて思うだけ無駄なのだ。
「悪かったな、急に呼び出して」
「まぁ、朋くんはいつも急だし……」
今更だよ、なんて思いながら窓の外に目を向けると、雨が酷くなってきていた。