3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「実句」
朋くんが、テーブルの上の私の手を取った。
「俺が福岡に行く前にした話を覚えているか?」
その言葉に、一年以上前の朋くんの言葉が蘇る。
『俺は、お前とのことは責任を取るつもりだ。
俺がまた本社に戻ったときに、実句が待っていたなら……。
その時は、結婚する』
そんな言葉、忘れるわけがない。
私はゆっくり頷いた。
「結婚しよう、実句」
「……」
窓を叩きつける土砂降りの雨の音ばかりが響いた。