3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「大志くん……」
私をしばらく見ていた大志くんが、ダメだ……と小さく呟いた。
大志くんはゆっくり私に体を向けると、冷たい手を私の頬に当てる。
大志くんのその真摯な瞳に、私は言葉を失った。
「好きです、どうしようもないくらい。
あなたが、誰のものでも……」
そう告げた大志くんの瞳が、ゆっくりと近付いてくる。
伏し目になり、雨に濡れた長いまつ毛が黒目にかかるのさえ、見えていた。
――そして大志くんは、自分の唇を私の唇に重ねた。
私の瞳は自然に閉じられる。
大志くんの唇は、手よりももっと冷たくて、少し震えていた。