3番目の高度合成数。-年下のキミと-



 まさかの声に振り向くと……、朋くんが立っていた……。



 どうして? さっき、別れてきたのに。


「朋……くん……」

 私のその声に、大志くんがハッとするように朋くんの方を見上げる。


「お前、人の女に手を出したのか?」


 ツカツカと大股で、朋くんが大志くんの前まで歩く。

 大志くんを見下ろすその視線は、恐ろしいほどに冷たかった。


「人の女……? そういうなら、幸せにすれば良かったじゃないですか……」

 大志くんが下から、ジッと朋くんを睨んでいる。


「ガキに何が分かるんだ?」


 朋くんが大志くんの胸ぐらを掴んで立ち上がらせた。


「ちょっ」


 ど、どうしようっ。


 こんな荒っぽいことをする朋くんを見たことなくて、頭が真っ白になってしまう。
< 313 / 333 >

この作品をシェア

pagetop