3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「じゃぁ、あなたに実句さんの何が分かるんですか?」
慌てる私とは逆に、胸ぐらを掴まれたまま大志くんは、表情ひとつ変えていなかった。
「確かに僕はガキです。
でも、実句さんが元気ないとか、困ってるとか、どうしたいとか、感じてるつもりです。
僕はどんなに忙しくたって、実句さんを笑顔にしてみせます」
その言葉に朋くんの片眉がいびつに上ががった。
「忙しくとも? 働いたこともなにクセに、想像で言うな!」
荒げた声に、私の肩が竦む。
「……僕は実句さんがいれば笑顔になれます。そしたらきっと実句さんも笑顔になってくれます。
人と人ってそういうものですよね?
僕はずっと実句さんの側にいます。
あなたみたいな人と、実句さんが笑顔になれると思えません」
強い口調で、大志くんがきっぱりと言い放った。