3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 私がシャツをつんつんと引っ張っると大志くんが首を傾げる。



「シャツ、出てる……」


 途端に大志くんが困ったように苦笑した。

「わざと、ですよ」


 やっぱりそうか。でもかなり、シャツ入れ途中? みたいな中途半端さ。


 こういうのって年々進化するものなのね……。


「実句さんが嫌ならもうちょっと中に入れますけど」

 大志くんがシャツをピロピロ動かしているから、私は首を振った。


「ううん。最近、高校生見る機会あまりなくて……新鮮というか」

「ふふ、じゃぁ僕で良ければいくらでも観察してください」


 そう言いながら大志くんが目を細めて微笑むもんだから、何だか恥ずかしくなってしまう。
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