3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「さ、実句さん。後ろ、乗ってください」

 大志くんが自転車の後ろをトントン、と叩いた。


 じ、自転車……!



 スカートなので、横向きに座ってみたけど、自転車で二人乗りなんて高校生のとき以来だよ!



「掴まってくださいね」


 大志くんが言うので、遠慮なく片手を腰に回したけど……腰細ーっ!


「大志くん、細すぎ……」


 ピタリ、と出発しようとした大志くんの足が止まる。


「実句さんは細い男、嫌い、ですか?」

「中肉中背が一番かなぁ。それに、あまりに細すぎると自分が凹む」


 大志くんの横顔が笑ったのが分かった。


「実句さんは可愛いから、凹む必要100%ないです」


< 34 / 333 >

この作品をシェア

pagetop