3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「ねぇねぇ、大志くんが引っ越したの、何年前だっけ?」

「六年前です」

 ちょうど信号で止まった大志くんが振り向いた。


「僕は十一歳、実句さんは十七歳でした、よ」

 大志くんがニッコリ微笑む。

「そっかぁ、そんなに前かぁ、小さかったもんねぇ」


 あの子どもが、まさかこんなに男前に成長するとはねぇ。


「六歳差の僕たちが、六年振りに再会。やっぱり運命的じゃないですか?」


 急に大人びいた表情をしたので、ドキリとしてしまう。



 でも……。


「うーん、私の彼氏、六歳年上なんだなぁ。それも運命?」



 大志くんは大袈裟に肩を落とした。


 あれ? ちょっと意地悪だったかな?
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