3番目の高度合成数。-年下のキミと-

 すっかりご馳走になって、とっても笑った帰り。

 挨拶を済ませて外に出ると、大志くんが自転車を出してくる。



「タクシーで帰るからいいよ?」

「……送っちゃダメですか?」


 子犬みたいな目で見るから断れるはずもなく。また自転車の後ろに乗り、細い腰に手を回した。



 ふと上を見ると、月が浮かぶ綺麗な夜空。


 秋の兆しの風を感じながら、自転車で帰る夜道と言うのも気持ちがいい。



「おじさん、若いのにパソコンが苦手なんて意外だったぁ」


 おじさんの電卓を叩く真似を思い出して、思わず笑ってしまう。



「ホントに、もう少しパソコンとか興味持ってくれたらいいんですけど……」

 ゆっくり自転車を漕ぎながら、大志くんがポツリと言った。


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