3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「じゃぁ、うち、ここだから。ここの四階なの」
小さなマンションの部屋を指差すと、大志くんは四階の方を見上げた。
「一人暮らし、ですよね?」
「うん」
「彼氏さんと同棲とか……」
「してないよ~」
程遠い現実に、思わず笑ってしまう。
「遠恋だもん」
「そうなんですか……」
遠恋と聞いた大志くんが、少し驚いた顔をした。
「なら、聞いてもいいかな……。実句さん。携帯の番号とメアド、教えてください」
大志くんが携帯を片手に少し緊張した面持ちをしているから、思わずクスリと笑ってしまった。
「うん、いいよ」
赤外線通信でお互いの番号とメアドを交換。
へへっ、なんて嬉しそうに笑う大志くんを見ていると、なんだかフワフワした気持ちになってくる。