3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 朋くんが話し始めたのは、お互いの生活の近況ではなく、仕事の話。

 それは別にいい。


 リナは外で仕事の話なんて絶対したくないって言うけど、私は結構好きだった。

 朋くんも同じはず。

 私たちは大抵仕事の話をしていた。



 だけど今は……ただ単に、共通の話題が会社の話しかない、というだけかも知れないって思ってしまう。


 なんて。

 ちょっとネガティブ発想だったかな……?


「お待たせしました」

 ボーイさんがカプレーゼを置いた。トマトとモッツァレラチーズとバジルのサラダ。

 私の大好きな一品。


 朋くん、注文してくれてたんだ……。


 これだけで朋くんが優しく見えて、嬉しくなってしまう私は単純なのかも知れない……。
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