3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 ここは紅茶が美味しくて、350円というリーズナブルさ。一人暮らしの私のお財布にも優しい。


 マスターの人懐っこさも手伝って、週に何回か立ち寄るのが結構楽しみだったりする。



「いらっしゃいませ」


 マスターと軽く雑談をしていると、カウンターの奥からエプロンを着けた知らない男の子が出てきた。

 マスターが一人でやってる喫茶店なので、思わずキョトンとしてしまう。



「あ、二日前からバイトで入った子なんだ。よろしくね」


 そうマスターが紹介すると、男の子はペコリと頭を下げた。


 フワリとパーマをかけたような黒髪。

 白い襟シャツに黒いベスト、黒いエプロンという喫茶店スタイルがよく似合う、スラリとした子だ。


 大きな二重の目が、意外に幼さを醸し(かもし)出してる。……と言うか、この子かなり若いんじゃない?
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