3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 私はフルーツトマトの美味しさで、つい口を滑らせてしまった。


「本当はヘルプデスクがしたいの」

 ヘルプデスクは、もっと範囲が広く、色々な事に対応する。


 パソコンだけじゃなく、ITに詳しくなって、もっとサポート範囲を広げたい。


 実はヘルプデスクは前から興味のある仕事だった。


 でも、それを聞いた朋くんの眉がピクリと動く。


「今更、仕事変える気か……?」


 私は目を伏せる。


「ヘルプデスクってもっと色々知識が必要なんだろう? 新しいことを始めるには遅いんじゃないか?」

 朋くんが静かに語る。



 うん、分かってるよ。


「だよね……」

 特別な勉強もしてない私なんかにできるわけないよね。



 分かっていたから、言うつもりなかったのに。

 口を滑らした自分が情けなくなった。
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