3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「じゃぁ、今日は俺が先に帰る」
一時間もしない内に朋くんはそう言うと、伝票を手に席を立った。
一緒に出るところを誰かに見られたら困るから、時間差で出るのが私たちの決まり。
「気をつけてね」
振り返りもしない朋くんの背中を見送った。
私は一人で薄めのベリークランベリーを頼み、少ししてからお店を出る。時計を見ると、もうすぐ夜の七時半だった。
「cube閉まっちゃっうな~」
薄めのカクテルは私のテンションを上げる手助けにはならず。
こんな沈んだ気分を明るくするには、『cube』に行って、マスターの美味しいピーチティと、楽しいお喋りが一番なのに。
そう思いながら、頭に浮かんだのは大志くんだった。
「――」
何だか変な気分……。