3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 閉まってるのは分かっているのに、少し遠回りをして『cube』の前を通った。


 『cube』の白い壁の前で看板を見上げる。もちろん電気は消えていた。




「あれ……実句さん……?」


 駐車場の方から声が聞こえてきた。



「え、何で……?」

 思いがけない姿に私は、目を見開く。


 駐車場で携帯を片手に座り込んでいたのは、学生服の大志くんだった。


「どうしたの? もうすぐ八時半だよ?」

 尋ねると、大志くんは目を伏せる。


「ちょっと電話してて……。実句さんこそ、どうしたんですか?」


「何となくよ」

 ヘラヘラと笑ってしまったのは、ベリークランベリーが今頃効いてきたかな?
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