3番目の高度合成数。-年下のキミと-
大志くんの手の中で携帯が光った。せわしなく光るライトからして、着信のようだ。
でも大志くんは、携帯に視線をやると、そのままポケットに入れてしまった。
「出ないの?」
「いいんです。ちょっと、学校の子とゴタゴタしてて……」
ゴタゴタ?
大志くんが地面を見つめながら、少し疲れた顔をする。
「大丈夫なの?」
朋くんといい、何だか今日は疲れた顔ばかり見てるかも。
と思ったのは一瞬で、大志くんはパッと私を見上げると、笑顔になった。
「はい、実句さんの顔みたら元気出ました!」
……大志くんてば、嬉しいこと言ってくれるなぁ。
「朋くんも、そんなこと言ってくれればいいんだけどな」
大志くんは、ん? と首を傾げる。