3番目の高度合成数。-年下のキミと-
「実句さんも、IT関係好きなんですか?」

 大志くんが私の持ってる本の表紙を見ている。


 私は遠慮がちに頷いた。


「私、ユーザーサポートが好きなの。

でも、今みたいにソフトだけじゃなくて、もっともっと色々な質問に答えれるようにしたい」


 大志くんは本の表紙から、視線をゆっくり私の顔に移すと、大人が子どもの言葉を待つように微笑みを浮かべた。


「でも、ITの知識なんて全然なくて、ただ、興味がある程度で……その資格だって取れないだろうし」


 言っててちょっと恥ずかしくなってくる。ITの専門学校に行きたい大志くんに、こんなレベルの低いこと言ってるなんて。
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