3番目の高度合成数。-年下のキミと-
 私が聞くと、大志くんはフッと目を細めた。

 さっき可愛いなんて思ったのを取り消したくなるくらい、ドキッとしてしまう表情だった。


「毎日いたら、いつ実句さんが来ても迎えられるじゃないですか」


「……」

 咄嗟(とっさ)になんて言い返していいか分からず黙ってしまうと、後ろからマスターが大志くんを呼ぶ声がする。


「実句ちゃん、今日は何にする?」


 大志くんと入れ違いに来たマスターに、ロイヤルミルクティをお願いすると、マスターがカップにお湯を注ぎ始めた。


「あそこのお客さん、大志のファンなんだよ」

 マスターがテーブル席の方に顎を向ける。

 振り返ると、テーブル席で年配の女性二人にと大志くんが楽しそうにお喋りしていた。
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