∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜
僕には何が起きたのか、全く分からなかった。
「……ご主人」
僕はご主人を見つめたまま、ぼう然と立ち尽くしていた。
そして、ずっと言いたかった言葉……。
「ご主人、本当にごめんなさい……。僕は、僕は……」
謝る僕を、ご主人は強く抱きしめて、
「生きていてくれたんだね! よかった、よかった……」
と繰り返しつぶやいた。
僕との再会を、ご主人が喜んでくれている。
僕は涙が止まらなかった。