∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜
僕のご主人は、シロの肩をさらにギュッと抱いた。
「本当にありがとうございます。私の家には私と妻しかいないんですよ。いつでも宗一郎に会いに来て下さい。本当に遠慮しないでいいですから」
そう言ってシロに連絡先を渡した。
「本当に行っちゃいますよ!」
シロは笑った。
「宗一郎のお陰で、私はこんなに若い人と知り合えたよ」
ご主人は僕の頭を撫でた。
そのとき、木の陰に隠れていた子イヌが安心した様子で僕たちのところに出て来た。
シロはショコラのご主人に、
「……こいつは?オジサンのとこの子イヌなんですか?」
と聞いた。
「このコは宗一郎クンと一緒に公園にいたんだよ。野良イヌの子……なんだろうなぁ。
我が家には猫が2匹もいるし……。誰かに当たってはみるけど。この子は市役所に取りに来てもらうしかないかもなぁ」
ショコラのご主人は困り顔で、迷いながら話した。