∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜
 

「ご主人の枕元には、俺の写真がたくさん置いてあったんだ。捨てられたんだと落ち込んだ事もあったけど、俺は自分が思うより、ご主人に愛されていたんだな」


それは、まだ年の若い僕たちにとって初めての“死”への遭遇でもあった。


「カミサマ……」

僕はカミサマを恨みそうになった。



「俺たちもいつかは死ぬんだよ。
 それにな、ご主人は少し微笑んでいたんだ。それを見たとき、俺、ご主人はカミサマのところに帰ったんだと思ったんだ。
 いつかまたカミサマの元で会えるんだから、俺は俺の寿命を頑張って生き抜かないとな」


「うん、うん、そうだね」




 この日、僕たちは夕暮れまで一緒にいた。


今日が陽の光る暖かい日だった事で、僕たちは少しだけ救われたような気がした。


明日も明後日も、ショコラが元気になるまで、どうか晴れた日が続きますように……。



 
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