∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜
こうして僕とシロの毎日は、穏やかに過ぎて行った。
以前と同じような穏やかさだけど、シロは全く別人へと変わっていた。
何だか僕は、僕だけが何か取り残されていくような気がしてきた。
新しい土地でみんなが変わっていくのを見ている僕自身だけ、何も変わっていなかった。
僕はこのままでいいんだろうか?
焦りにも似た、そんな気持ちだった。
僕に出来る事――
……。
真夏の夜、遠くサイレンが鳴り響いている。
僕の嫌いなメロディー。
僕はモヤモヤした頭を振ってから、無理やり眠った。