∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜
家の中は、物が散乱していた。
シロの本も、僕のお菓子もぶちまけられていた。
「シロ……」
何もしてあげられなくてゴメンね…。
僕はなんて無力なんだろう?
僕はとても悔しかった。
「何だよ、親のクセして何でシロを信じてあげてくれないんだよ……」
僕の隣には、僕の後を追って来たショコラが立っていた。
「宗一郎、ここは危険だよ! 誰か来たらヤバイから場所を移すぞ!さぁ、早く!」
ショコラは、すっかり無防備な僕を急かして、細い道に僕を誘った。