∫hiRo 〜雨の向こうで僕が思うこと〜
僕とショコラはその場を離れ、いつもの土手に移った。
「シロ、どうなっちゃうのかな?」
僕は泣きそうな声でショコラに言った。
「今のシロなら、きっと大丈夫だよ。昔のシロとは違う。心も強くなっているはずだ。
シロの親父が知らないだけで、みんな分かっているさ。大丈夫だよ」
ショコラはもう、100%シロを信用してくれていた。
そして、僕の事も信用してくれていた。
「でもさぁ、普通は反対だよね? 父さんや母さんだけは、ご主人だけは、自分の味方であって欲しいと思いたいのに……」
僕は小さくつぶやいた。
つぶやきながら、僕はご主人の家を飛び出した時の自分を思い出していた。
ここにいる僕は、ご主人が信じられなくなって家を出た僕だった。
普段の行いが悪くて、信じてもらえなかった僕だった。
シロの悔しさが、僕には痛いほど分かった。