【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ

「かまわないよ。こうして百合が話している、百合と会話できる、俺はそれだけで良い・・・それだけで十分だ。」


 本心だった。


 今はそれでいい・・・。


 それだけで本当に満足だ。


『あら、愛の告白?』


「あぁ・・・愛している!・・・愛しているよ百合!」


 ずっと言いたかった言葉。


 何でこんな簡単なことが言えなかった。


 何でこんなことが分からなかったんだろう。


 俺はずっと・・・ずっとこいつのことが・・・・・・・・。


『ありがとう・・・・・私も・・・ずっと、あなたの口からその言葉が聞きたかった・・・。』


「百合?」


 その言葉がどこか弱弱しく聞こえたのは気のせいだろうか?


『キリトってば、ものすごい鈍感なんだもの・・・。ずっとこんなにアプローチし続けていたのに、今さら気づくなんて、遅すぎるにもほどがあるよ・・・』


 そんな・・・。


「ごめん・・・だけど・・・だけど、これからは一緒にいるから!」


 いつまでも・・・ずっと・・・永遠にずっと傍にいるから・・・。


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