【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ
 
 ・・・・・・・・あまりに衝撃的な言葉。


 一瞬嘘だと思いたかったが、しっかりと脳は百合の言葉を理解した。


「・・・・・・・・・・・・・」


『・・・・・・・・・・・・』


 しばしの沈黙が二人の間に流れる。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・できるかよ・・・・そんなこと・・・。」


 ようやく口にできた言葉。


 それ以外に、どんことが言えただろう?


 百合・・・どうして、愛していると分かったとたん、そんなことを口にする?


 どうして、俺たちは人間を辞めてまで、思いがつながったというのに、何でそんなことを口にするんだよ?


『キリト・・・・お願い・・・・私は、ずっと死にたかった・・・あなただって知っているでしょ?』


 あぁ、知ってるさ・・・。


 そんなこと、ずっと・・・ずっと昔から・・・。


『だけどね・・・あなたがいたから・・・私はあなたがいたから、最後まで踏ん切りがつかなかった。人工知能になってもね、自殺するチャンスは何度もあったんだよ。』


 それは初耳だった。


『だけど、それでもあなたがいた・・・あなたに会えたから・・・私は生きようと思った。あなたに会いたかったから・・・だけど、今、私は思うの。』


 何をだよ・・・?





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