【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ

 その名のとおり、人工知能を死滅させるための、禁断のファイル。


 このファイルを、人工知能システムに入れるだけで、百合は死滅する。


 二度と戻ることなく、二度と帰ってくることなく、そして・・・・・


 ・・・・・・・・・彼女は・・・本当の意味で死ぬ・・・・・・。


 もちろん、そんなことをしたら軍法会議にかけられ、自分の死刑は間逃れないものとなるだろうが、それでも彼女のためにはこれが最良なのだと思う。


 だけど・・・それができない・・・・・・・。


 それよりも先に人工知能の小型を考えてしまう・・・・。


 馬鹿馬鹿しい・・・・・・。


 本当に・・・・・・・。


「馬鹿馬鹿しい・・・」


 キリトは、三度目の口癖を言葉にすると、タバコを備え付けられた灰皿に捨て、ベッドに横になった。


 そういえば、明日から二日間、自分は外出許可が下りていたのだ。


 許可が取れるから・・・と理由だけで、とってみたが、実際にやることはない。


 せっかくだから、本当に百合の花でも買いに行こう。


 もっとも、アイツには視覚も嗅覚も、触覚もついていないのだから、造花だろうが、それこそなんでもない、そのあたりに生えている雑草でも俺がうまいことを言えば百合は信じるだろう。


 だけど・・・・・・やっぱり・・・・。


「本物の百合を、探しに行くか・・・・・・・。」


 だけど、冬になってしまったコノ時期に花なんて手に入るものなのだろうか・・・。


 キリトは天井を眺めながら、思考をめぐらせる。


 そして・・・


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