【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ
・・・・・・さて、次はどこに行こうか・・・。
そんなことを考えながら、スラムの中を歩いていると・・・。
「ん?」
とある人を見かけて足を止めた。
別に見覚えのある顔というわけではない。
だけど、物腰、立ち居振る舞い・・・そして、何よりも、紋章つきの靴が、彼女が何者であるのかを語っていた。
あいつは・・・間違いない・・・敵国アトランテの軍人だ。
肩まで伸ばした黄金の髪の毛につりあがった瞳。
それに、そばかすが抜け切れないあどけなさに、成長し切れていない、胸と身長・・・・。
どこか・・・・まだ人間だった彼女を思い出させる・・・。
別に、ここは非政府地区。
虎神もアトランテも関係ない。
とはいえ、軍の紋章つきの衣類を身につけてココに来るとは、襲ってくださいといっているようなものだぞ。
「おい、そこの女。」
ほら、案の定・・・。
百合そっくりな女性にどこから沸いて出たのか三人の男が立ちはだかる。
強靭な身体に、大柄な肉体。
それだけの体格があれば、陸軍に入隊すれば、それなりの戦果も上げられるだろうし、それなりの地位と報酬も手に入れることができるだろうに・・・。
才能の無駄遣い・・・。
いや・・・ただ単に馬鹿なのか・・・・・・・。