【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ

「いい加減にしたら、どうだ?」


 仕方なしに、後ろから馬鹿男の中でも、一番大きいヤツの肩をつかむ。


 とりあえず、こいつがリーダー格みたいだし、こいつをつぶしておけば、後はおとなしくなるだろう・・・。


「あぁ!」


 突然の乱入者に凄みを利かせてにらんでくるが、それぐらいで動揺していては、軍人失格である。


「男が三人がかりで一人の女性を寄ってたかって・・・紳士から外れるにもほどがあるだろう?」


 とりえず、挑発するだけしてみる。


 理由は一つ。


 相手を怒らして手の内を見るためだ。


 コノ手のタイプは挑発すれば、簡単に乗ってくれる。


 あとは、こいつらがどんな武器を取り出すのか・・・。


 拳銃だったら、その場で射殺。


 ナイフだったら、少し懲らしめる程度で許してやろう。


 しかし・・・こんなときでも自らの戦い方を冷静に判断するとは・・・・・・。


 俺もつくづく腐っているよな・・・・・・・。


「てめぇ、ナイト気取りか?」


「まさか?それより、後ろ見てみろよ。」


 親指で男の背中の先・・・先ほどこいつが倒した女性士官を指差す。


「そんな、やすい挑発に・・・」


 男がそこまで口にした瞬間。

「!」


 銃声が鳴り響いた。


 同時に男の頬に赤い筋ができる。


 銃は誰が撃ったのか、考えるまでもないだろう・・・。

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