【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ

「せっかく、忠告してやったのに・・・。」


 男が恐る恐る背中に顔を向ける。


 そこには・・・・・・銃を構えたアトランテの女仕官を見ることができた。


「これ以上変なマネをして見なさい、あなたたち全員を正当防衛の名の下に、撃ち殺します。」


 透き通った綺麗な声。


 見た目だけじゃない・・・・。


 どことなく・・・・・・声までアイツに似ているような気がした・・・・・・。


「・・・・・・・・・・。」


 突然の異物の登場に、言葉を失う三人の男たち。


 まさかと思うが、軍人相手に喧嘩を売って、拳銃の一つも出てこないと思わないとかあるまい・・・・・。


「念のため言っておくが、俺も拳銃ぐらいなら持っているぞ。」


 口にしながら、ポケットから取り出したのは、虎神軍内では一般的に使われているベレッタの改造拳銃。


 一応、安全装置は解除しないで、銃口だけを男のこめかみに当てる。


 トリガーは指にかけ・・・。


「さて、どうする?」


 歯向かうなら、まだ勇気あるものと認め、こちらも真剣に戦うことにしよう。


 それならそれで、面白い。


「くそっ!てめぇら、覚えてろよ!」


 しかし、男たちは負け惜しみともいえないような口ぶりで、本当に悔しそうな顔をして、立ち去っていった。


 ・・・・・・見た目から、情けないヤツらだと思っていたが・・・。


「あそこまでいくと、チンピラを通り越して、ただのコント集団だな・・・。」


 彼らを見ながら、思わずもれた本音。


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