【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ
2―1.前夜
翌日、ドクターの宣言どおり、自分には事例が降りて、見事に最前線基地へと搬入となった。
ついてみると、そこには自分用に一体のギアが用意されており、カスタマイズが施されていた。
真っ赤なボディをした、全長8メートル、重量12トンの寸胴なギア。
両肩に180発ものミサイルランチャーが取り付けており、腰にはマシンガンとロケットランチャーが一丁ずつ。
シールドが存在しない代わりにナイフと、発行弾・・・と、まぁ・・・遠距離武器主体のギア・ドールとなっていた。
当たり前だ。
アイツは孤児院に居た頃から射撃の名手として名をはせていた。
自分の中ではケィ先輩に告ぐといっていたが、あながち謙遜でもないだろう。
それにしてもたった、二日ですぐにこれだけのギアが用意できるとは・・・。
さては、俺には秘密だっただけで、実は何ヶ月も前から用意されていたのだろう・・・。
・・・・・人類史上、これで二機目となる・・・・・・・人工知能搭載型ギア・ドール・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・『紅薔薇』・・・・・・。