【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ
「うるさい機体になりそうだな。」


 心から出た言葉である。


『アハハハハ・・・それにしてもキリト老けたね・・・。』


 そうか・・・ギアに搭載されたというコトは、こいつに視界と触覚ができたんだな・・・。


 よかった・・・適当な花を買ってこなくて・・・。


「二年もたてばな・・・それより、悪かったな百合の花・・・。」


 おとといの休み。


 百合の誕生日に、同じ名前をした花を買ってくると約束した。


 だけど、結局は何一つかなわなかった。


『期待してないって言ったでしょ?大丈夫だよ。それに花より、もっと欲しかったものを手に入れられたわけだし・・・』


 百合の花より欲しいといっていたもの。


 彼女が心から欲しがっていたもの・・・。


 ・・・・・・・・・自らの『身体』・・・・・・・・。


 だけど、こんな巨体で鉄の皮膚を持ち、全身に武装を施されて、それを『身体』と呼べるのだろうか・・・・・・。


 俺には・・・わからない・・・。


< 50 / 130 >

この作品をシェア

pagetop