【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ

「敵の新兵器か・・・。」


 それを言い出したら自分たちも新兵器であることには変わりないのだが、そんなことは今は棚上げしておくべきだろう。


『くそっ!』


 しかし、相手が新兵器だろうと自分たちの二倍はある巨体だろうと、それが敵ならば倒さなければいけないことには変わりない。


 百合は毒づきと共に、マシンガンを発砲。


 しかし、漆黒のギアは右に素早くそれて、弾を回避する。


 そんな行為・・・こちらからは予想済みだ。


『キリト!』


 分かっている・・・レバーはずっと前から、それをにぎっているのだ。


 ミサイルランチャー発射。


 とても一人のパイロットでは無理なほどの瞬時な武器の切り替えと反応速度。


 向こうが、とんでもない巨体を持っていようが、こちらはパイロットが二人いるのだ。


 1対2


 決して、負けやしない。


 しかし・・・。


「うそだ!」


 キリトは思わず叫んだ。


 ミサイルランチャー全弾命中。


 これで、相手は破壊される・・・はずだった・・・。


 しかし、向こうは傷らしい傷を負っている様子はない。


 圧倒的防御力。


 間髪いれずに、相手からの反撃が来る。


 胸部が開き、そこから飛んでくる、無数のミサイル。


 回避運動・・・間に合わない!


< 62 / 130 >

この作品をシェア

pagetop