【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ

「!」


 額に冷や汗が流れ、心のどこかで死を覚悟した瞬間、それは起こった。


 真紅の機体の背中のハッチが爆発音と共に外れかと思うと、次の瞬間に赤い球体が飛び出す。


 脱出ポット・・・。


「逃げたの・・・?」


 おそらく自分が思っている以上に、相手のダメージは大きかったのだろう。


 パイロットが脱出したというのは、もはや真紅の機体は戦える状態ではなかったのだ。


 ・・・・・・・助かった。


 舞鶴の口から安堵のため息が漏れる。


 これ以上戦闘が長引けば、こちらだって危なかったのだ。


 とりあえず、目の前の機体は回収して・・・。


 思った瞬間


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