【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ

「くそっ!」


 嘆いていても仕方がない。


 相手が人工知能ならば、降参したところで生かしてくれる保証はない。


 だったら、取れる道は一つ。


 先ほど目の前の機体が取った方法と同じ・・・。


 ・・・・・・・・緊急脱出・・・。


 だけど、やられっぱなしでたまるか・・・。


「来い・・・化け物。あなたごと、ぶっ壊してやる。」


 舞鶴はコックピットの中にある、自爆スイッチを押す。


 パスワード入力。


 あとは、爆破のタイミングと脱出のタイミング。


 神に祈るしかない・・・・・。


「そっか・・・クリスマスか・・・。」


 不意に今日が12月23日だというコトを思い出した。


 旧世紀のお祭り・・・。


 なら、奇跡の一つも起こってくれて良いだろう。


 舞鶴は、ほんの一瞬目を瞑り、脱出ボタンを押す。


「!」


 轟音と共に、舞鶴のお腹に衝撃が走る。


 脱出ポットが背中から強制排出されたのだ。


 それを合図に光りだすポセイドン。


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