【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ

「待ちなさいよ、ここがどこかも分からないのに・・・。」


「そんなことにかまっていられるか!」


 思わず、声が大きくなった。


 とたんに萎縮する、舞鶴。


「あ・・・ごめん・・・とりあえず、戻らないといけないんだ。俺は・・・。」


 百合が待っているかもしれないから・・・。


 百合が・・・嘆いているかもしれないから・・・。


「・・・・・・・・・。分かったわよ。」


 何が分かったのか分からないが、その様子を見てため息をつく舞鶴。


「?」


「その足じゃ、まともに歩くこともままならないでしょ?まってなさい。応急処置ぐらいはしてあげるわ。」


 言うが早いが、舞鶴は銃をしまうと、自分に近寄ってくる。


「とりあえず、腰を下ろして、足伸ばせる。」


 言うとおりにする。


 幸い、足は伸びた。


 どこが骨折したのが、具体的には分からないが、おそらく太ももの辺りだろう。


 複雑骨折でなければ良いが・・・・。


「添え木の変わりになるものが必要ね・・・ちょっと、脱出ポットの中を探らせてもらうわよ。」


 自分の返事を待たずに、脱出ポットの中をあさりだす舞鶴。


 出会った時は分からなかったが、案外図々しいんだな・・・こいつ・・・。


「あ、これとか・・・使えそうね・・・ってこれは何?」


 どうやら、何かを見つけたらしく、コックピットの中から、何かを取り出し、キリトに見せる。


 それは・・・・・・一枚のCDフロッピー。


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