【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ
「あなたが先ほどから口にしている百合って・・・もしかして・・・。」
どうやら、気がついたらしいな・・・。
「そうだよ・・・人工知能『YURI』・・・俺の・・・。」
・・・・・・・俺の・・・・・・・・・。
「大切な人だ。」
そうだ・・・なんで、もっと早く気がつかなったのだろう・・・。
俺はずっと・・・人工知能になってからも、いやその前からずっと・・・・。
アイツを・・・。
・・・・・・・・アイツだけをずっと愛していたんだ・・・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
舞鶴はそれを聞いたあと、しばらく動こうとしなかった。
だけど、すぐに・・・。
「この鉄パイプ・・・添え木代わりに使えるから・・・。ちょっと内部壊れるけど問題ないわよね?」
それだけ言うと、拳銃でコックピット内にある鉄のパイプを取り外し、自分の右足に備え付ける。
応急処置セットはパイロットには必需品。
包帯ぐらい、自分も舞鶴も持っている。
それでも、彼女は礼儀を重んじたのか自分のほうの包帯を取り出し、キリトの足にキツめに縛り上げた。
あとは、杖の代わりになるものがあればいいのだが、そこまで世の中都合よくはできない。
まぁ、それぐらい我慢するさ・・・。
そう思い、キリトが立ち上がろうとすると・・・。