【X'mas】百合色をした薔薇の歯車/GIADOOLⅢ

「とりあえず、行ってみましょう。」


 舞鶴に促されるように、戦場だった場所を歩く。


 たとえ、ギアに乗って無くても戦場の地図は頭に入っている。


 だから、自分が戦った場所も把握済みだ。


 もしかしたら、いない・・・。


 いや、おそらくいないだろう・・・。


 だけど、向かう必要があった。


 あきらめたくは無かった。


 百合に・・・俺は・・・百合に会いたいんだ!


「・・・・・・・・・まさか、本当に来るとはな・・・。」


 舞鶴に肩をつかまれて、歩くこと数十分。


 それは奇跡に近かった。


 漆黒の機体と、真紅の機体の残骸・・・。


 それが、まるで先ほどまで戦闘していかのように、そのままの状態で横たわっていたのだ。


 近くに、タバコをくわえた見知らぬ男の姿が見える。


 漆黒の短めの髪をした、釣り目の男・・・。


 どこかで見たことあるような・・・。


 ・・・いや、今はそれど頃ではないな・・・。


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